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体験レポート

[ベトナム統一鉄道の旅]寝台列車に乗ってハノイからフエへ


▲ベトナム鉄道路線図 (クリックでPDFが開きます)

北は首都ハノイから南はホーチミンまでの1726kmを結ぶハノイ-サイゴン鉄道(1936年開通)は、戦争により幾度となく破壊されては復旧が繰り返され、ベトナム戦争終結の1年後(1976年)に全線が修復されました。
以後、「統一鉄道」と呼ばれ、南北統一のシンボルとして現在まで親しまれています。
今回はその統一鉄道に乗って、ハノイ夜9時発⇒フエに翌朝9時着の約13時間の鉄道の旅を体験してきました。 (写真・文:ベトナム担当)


▲動画はこちら


まずハノイ中央駅に出発の1時間前(18:00頃)に着くと、すでに駅構内は混雑しており、駅前の売店で夕食を済ます人、チケットが手に入らず駅員と交渉している人、西洋人のバックパッカー達、見送りに来ているベトナム人家族、それぞれが南へ向かう準備をしていた。


18:15頃になると改札が開き、それぞれが列車に乗り込んでいく。統一鉄道の寝台部屋は2段または3段のソフトベッド利用部屋がある。


今回はCORCH-9(9号車)、BERTH-26(26番)、LEVEL-1(下段)という2段ベッド(4名利用)の部屋だった。部屋の備品は枕や布団は綺麗に用意されていた。
それなりの覚悟はしていたが、そんなに悪くないというのが第一印象だった。

ハノイ駅

ハノイ駅

混雑しているハノイ駅構内

混雑している駅構内

チケット

チケット


部屋は混載車なので、隣や上段はもちろんベトナム人、上段では子どもとお父さんが1つのベッドで一緒に寝るようだ(添い寝の場合、子どもは無料)。

狭いベッドだが、上下に交差して寝ることで上手に利用している。統一鉄道はベトナムでは一番時間が掛かる移動手段だが、料金も安いため、大学生や出稼ぎに来ている人達が利用するまさにローカル鉄道という表現が相応しい。

ハノイ駅のプラットホーム

ハノイ駅のプラットホーム

4人部屋の寝台列車

4人部屋の寝台列車

寝台列車の洗面台

寝台列車の洗面台


19:00になると列車は汽笛を鳴らしゆっくりと走り出し加速を始めたが・・・やっぱり遅い・・・

時速は50km前後だろうが、軌道・道床・列車自体も劣悪なため、列車の立てる金属音や列車が軋む音、縦横無尽に揺れる車内は時速50kmというようなのんびりしたものではなかった。

しばらくは夜のハノイ市内を走り、20:00頃には窓の外は街灯がなくなり、暗闇の中を列車の金属音だけがさらに大きく聞こえるようになっていった。

見る景色もなくなり、同部屋の子ども達と遊び飽きると、すでにぬるくなったビールを飲みながら、日本から持ってきた本を読むことにした。部屋の明かりを消すタイミングは上段の家族に任せて、読書灯を付けながら、本を読んでいたらいつのまにか寝てしまっていた。

ただ眠りについても幾度となく起こされるのがベトナムの鉄道だった。分間隔で訪れる列車の大きな揺れ、席が取れずに廊下で1泊を決め込んだベトナム人達の声、特に各駅で停車する際の急ブレーキはベットから振り落とされそうな衝撃だった。

途中途中で連結作業もしているようで作業中は小テーブルに置いたものがすべてひっくり返ってしまう。それでも目を閉じて、また衝撃で起きて、目を閉じてと繰り返しているうちにいつの間にか外が明るみ始め、カーテンを開けると窓の向こうには綺麗な田んぼの上に朝日が昇り始めていた。

寝台列車の車窓からの風景

車窓からの風景①

寝台列車の車窓からの風景

車窓からの風景②

寝台列車の車窓からの風景

車窓からの風景③


雨季ならではの緑が一杯に広がる美しい景色を眺めながら、列車は相変わらずの大音量を上げながら中部へ進んでいく。

窓の向こうでは、まだ早朝の6:30だが水牛や農民たちが仕事を始め、池や湖では漁師たちの投網漁が始まっており、車内でもそれぞれが起き出し、ちまきやパンを食べたり、カップ麺の匂いが漂ってきた。私も乗車前に買ったパンとコーヒーの粉末をペットボトルの水に溶かして簡単な朝食を済ませる。

朝食を済ませ、揺れる車内を散歩してみることにした。揺れる車内で重心を低く保ってはいたが、右へ左へと勝手に体がよろけてしまう。すでにほとんどの部屋の住民は起床しており、車窓を眺めたり、ベトナム学生達はトランプに熱中していたりと列車の旅を楽しんでいた。

途中、6ヶ月の赤ちゃんと一緒に実家へ帰る途中のベトナム人家族と目が合い、部屋で赤ちゃんをあやしながらベトナム紳士と話をすることができた。

家族は夫人の実家があるホーチミン近くのブンタオという町まで行くという。 故郷のブンタオのこと、子どものこと、ベトナムの教育や戦争のことまでも色々な話をしてくれた。

私がフエで降りることを告げるとフエを観光した後はブンタオまで来るようにと電話番号をくれた。今回は行けないがまた近くに行く機会があれば必ず電話することを約束をして別れた。

統一鉄道内で出会ったベトナム人家族

6ヵ月の赤ちゃん

統一鉄道内で出会ったベトナム人家族

車内で出会ったベトナム人家族

ベトナム・フエ駅

フエ駅


9:00にフエ駅へ到着した頃には太陽が頭上近くまで上り、中部の容赦ない日差しを浴びながらフエ駅を後にした。

国内線(飛行機)を使えば約1時間程度の移動だが、13時間をかけて移動したハノイ⇒フエ間の鉄道の旅は飛行機では味わうことができない人達との出会いやベトナム人の生活、車窓から見る美しい原風景に魅了された素晴らしい旅だった。



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